為替リスクとは、為替相場が変動することによって生じるリスクのことです。
外貨預金や外国為替証拠金取引などで外貨建ての金融商品を持っている場合には、為替変動そのものが資産内容に影響を及ぼします。が、元々本来の為替リスクは金融商品からくるものではなくて、輸出産業・輸入産業など円高・円安の影響を受ける業種からきたものです。円高になると、輸出産業の業績は下がります。円安になると、輸入産業の業績が下がります。これは、何億円、何十億円という単位で損得が発生するものです。精一杯頑張って仕事をしていたとしても、ちょっと為替レートが変動した程度で全てが吹っ飛んでしまいます。当然、為替レートの値動きを指をくわえてみているわけにはいきません。そこで、このような輸出企業や輸入企業では、先物などによって数ヶ月先の為替予約を行って為替リスクを回避する、ということが日常的に行われているのです。外国為替証拠金取引で重要なことなのは何故かというと、この輸出・輸入企業の為替リスク回避策が、為替レートを大きく動かす要因となっているからです。
円高・円安に備えて輸出企業や輸入企業が為替リスクを回避する策を取っていることは既にお話ししました。先物で為替予約をしたり、ドル建ての輸出代金を円に換えずに保有し、別のドル払いのものに充てたりと、億単位での業績変動がかかっているのですから、各企業では必死に為替リスクを回避しようとしています。この為替リスクを回避する手段をヘッジ取引と呼んでいます。ただし、このような為替ヘッジには、ある程度のコストがかかるのは避けられません。が、為替ヘッジを行わずに巨額の損失を出すよりは、少々のコストに目をつぶって破滅的な事態を回避したい、という考えのもとにヘッジは行われているのです。
最終更新日:2020/9/16
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